川口哲也税理士事務所

暗号資産

暗号資産

今、熱狂的に注目を浴びているビットコインを代表とした暗号資産は今後どのような変遷を辿るのか
今回は暗号資産について税務的な視点から考察してみようと思います。

暗号資産が登場したのは2008年のサトシナカモトにより発表されたのがビットコインです。
その時は大きくは注目されることはなく、2011年ごろに世界的に注目され、2011年3月にビットコイン価格は70円/1btcになり、急上昇しました。
現在では、2025年の6月では1520万円/1btcまで上昇するほどの注目を浴びています。(すごいですね。約217,142倍になっています。)
今後の動きにも注目したいところですが、そのような中で、法律の整備なども進んでいます。
暗号資産は税法上どのような整理になっているのかを解説していきます。

現在の日本の法制度上、暗号資産について日本の資金決済に関する法律(資金決済法)2条14項1号及び2号で以下の通り定義規定されています。

1号 物品等を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨、通貨建資産並びに電子決済手段(通貨建資産に該当するものを除く。)を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

2号 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

となっています。すこし難しく聞こえますが、一言でいうと資産であるといえます。貸借対照表上は仮装通貨といった資産の勘定科目で表示することとなります。続いて課税関係について説明します。
暗号資産は例えば①暗号資産を売却する②他の暗号資産と交換する③商品やサービスの支払いに使用する④マイニングにより取得することによって得た利益は所得税法上は、総合課税所得の雑所得として扱われるため最大で55%の税率が課せられます。
法人税法での取り扱いは売却等して得た利益は、法人の本業により得た利益と同様に法人の所得として法人税が課されます。
また、法人の場合は保有しているだけで期末時に時価評価する必要がある場合があります(一定の条件を満たす場合には原価法)。
したがって、暗号資産の課税関係について言えることは個人の方の場合は、税率がかなり高くなる可能性があり、それがハードルとなり、手を出せないという方もいらっしゃると思います。また既に含み益が出すぎているため税率が高すぎるため現金化できていない人も多いのではないでしょうか。法人の場合は、保有しているだけで時価評価の対象となる(一定の要件に該当する場合を除く)ため保有するハードルがこれも高いと思います。

最後に、
暗号資産の取り扱いについては、現在も様々な議論がなされているところであるので、今後の改正で納得のいく制度となると喜ばしいものです。その他、暗号資産についてご相談がございましたらご連絡ください。